ここは100年後の夏

みんな死んだよ

好きなサイトが閉鎖した話

好きな二次創作の小説サイトが閉鎖したんですけど、あ〜結構つらいな……という気持ちになっている。なっています。私はこのジャンルの話したことないしするつもりも無かったけど、好きなサイトの閉鎖はな〜つらいな〜。


長編がすげー好きだったんだよな。メインになるキャラAの解釈の密度がすごくて、なんというか……Aについての五万文字の論文を一本丁寧に書いてからこの長編を書き始めたんですか?と思ってた。『他者はAを幸せに出来るか』みたいな論文を書いて、それを元に小説を書いているのではと思った。その人自身の解釈を作品に昇華するのがうまかったんだよ、たぶん。
キャラ解釈がどうこう以前に、そも大前提としてかなり丁寧に書いてんだなっていうのが読んでて伝わってきてた。キャラクターが喋ることや行動ひとつひとつに意味があって、その時にはわからなくてもあとで読み返した時にこの場面ってあの場面の対比になってる?とかこの台詞ってもしかしてこういう意味か?とか、読み返すたびに気づいたんだよな。だから何回読んでも楽しかったしおもしろかった。私が気づいたの以外でもそういうの山ほどあったんだろう。これだけの長編でここまで考えて書くの本当に大変だし凄いことだ……と思ってた。今も思う。
あと単純にストーリーがめちゃくちゃ面白かった。起伏があって常に続きが気になる展開だったように思う。自分の解釈を丁寧に言語化し、うまく話として組み込む、それをおもしろく仕上げるってマジですごかったな。私は「おもしろい作品」を求めて二次創作見ることって別に無いですけど、不意にそういうのに出会うとビックリしてキョロキョロする。
めちゃくちゃおもしろいし、めちゃくちゃ先が気になるし、めちゃくちゃ更新が早い!毎日、本当に毎日ワクワクしてたんだよ。あ〜やっぱり同人誌も好きだけどウェブで更新されるの好きだよ、毎日が楽しみになるもん、こういうの久しぶりだ。久しぶりだった。更新のたびにクソ長文メッセージをよく送ってしまってた。重いオタクは最悪なので長文でも重たくならないように……と思って感想書いてたから割とパッパラパーな感じになってた気がする。大丈夫かな……と送るとき毎回不安になってた。もう不安になることは無いんですけど。


『他者はAを幸せに出来るか』、マジでこれに真正面から体当たりで挑んでた。長い話数をかけて、AとBがどのように関わり合い、それぞれの行動がお互いにどう影響してるのかを丁寧に書いてた。Bは試行錯誤して走り回ってた。幸せに出来るかっていうのはA自身が幸せになろうとするかってところでもあって、もう少しだったんだよな。Bはもう少し走り回ったあとにAの隣に並ぶことができたのかもしれない。わからない。もう少しでしたよね。もう少しで完結だった。完結してるの見たかった、書いてる側だって完結させたかっただろうな。続きがかなり気になるところで終わっちゃったんだよね。全話保存はしてあるんだけど、読み返すと続きが気になって苦しくなるから読み返すこともあんまりしたくない気がする。


長いことインターネットやってるし、更新停止とかサイト閉鎖とかもまあ慣れてるほうだ。全話保存してるのもそういうのに慣れてるからだ。だからここまでショックなのも本当に珍しいなーと泣きながら思っている。悲しいという気持ちで泣くのも珍しいな。単純にジャンル移動とかだったら残念だな〜で済むんですけど、そういう理由じゃないので悲しい。悲しみっていうのは結構しんどい。あれだけ丁寧に書いてたもの、完結させたかっただろうな。そうか、続きは読めないんだな。そっかー。


閉鎖した跡地をブックマークに残したままにしちゃうオタクのみんな〜俺もだ〜
でももうなんも無いし、どうしようもないねえ
こまっちゃうね





<ここからラブレター>
これは拍手メッセージ送るたび毎回言ってた気がするんですけど、本当に話がおもしろかったです。読み返すたびに発見があった。紙の本で読んだら付箋だらけになってたなって思います。これも拍手で言ったことがある気がします。同じことばっか言っちゃうな。AとBが少しずつ距離を縮めて関係性を築く過程、つまりAが幸せに至る過程ってことだと思うんですけど、それを丁寧に書いてくれてたのが本当に嬉しかったです。どういう終わりになるのか知りたかった。
毎回たくさん拍手メッセージがあって、ひとつひとつ丁寧に返信してたから大変そうだなと思ってメッセージ送るときは返信不要にしがちだったんですけど「更新後すぐにメッセージくれた返信不要の方ありがとうございます!」ってみたいに書いてくれたことがあったのがなんか嬉しかったです。あの時は更新履歴に乗る前に更新あるのを見つけて、すぐ読んで、すぐメッセージ送った気がします。この瞬発力を出させてるのはあなたの書く話だよ……と思ってた。今も思います。そういう魅力がありました。
続きが夢に出てきたっていう謎の拍手送ってすみません、更新止まってたのにあの拍手送った日に久しぶりに動きがあって驚いた。むしろ更新止まってるし見てへんかなと思ったからあんな意味わからんメッセージ送ったんですけど、夢の内容が面白くて元気出たって書いてたからそれがすごく嬉しかったです。
体と心にお気をつけて過ごしてください。こちらこそ本当に楽しかった。ありがとうございました。本当に。

</ラブレターここまで>